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キャタピラー

『キャタピラー』

【製作年度】2010年
【製作国】日本
【監督】若松孝二
【出演】寺島しのぶ/大西信満/吉澤健/粕谷佳五/増田恵美/河原さぶ/石川真希/地曳豪



【イントロダクション】 
戦争で四肢を失い、傷痍軍人として帰還した夫は村人から軍神と崇め奉られる。妻はそんな夫の食欲と性欲の処理に追われるが…。

【感想】 
ただただ、寺島しのぶの女優魂と迫真の演技に圧倒され続けた90分。第60回ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたその演技は、ものすんごい。当ブログで、数々俳優の演技がすばらしいと書いてきましたが、群を抜いておりました。この役は誰でもできるものではなく、寺島しのぶだからこそ完成された映画なのだ。

四肢を失い戻ってきた夫。軍神と崇められる夫。
寝ることと食べることしかできない夫。
それ以外自分では何もできない夫。
性欲だけが増幅する夫。
妻シゲ子にとっては、夫はキャタピラー(芋虫)と変わりない・・・。
キャタピラー1

軍神の妻として「お国のためにも久蔵の世話をしてください」と他人は言う。
しかし、シゲ子の戦争はこれから始まる。

月日がたつにつれ、何もできない夫に対して虐待心、軽蔑心が芽生えるシゲ子。何もできない夫を村人にさらすようにリヤカーに乗せ村を歩く。夫の性欲に義務的に答えていたシゲ子が、戦争中に犯した罪の意識で苦しむ夫を犯すようにまたがるシーンなどは、夫からすると拷問に近い対処だったに違いない。

そして最も印象的なシーンは、夫が気が狂いのた打ち回るシーンで、シゲ子は笑いながら「芋虫ごろごろ、軍神さまごろごろ」と歌をつぶやく。夫が壊れたと同時に彼女の中でも、何かが崩れ落ちた・・・。

重い、重すぎます。映画としての時間は短いのですが、ひたすら重い・・・。繰り広げられる内容に胸いっぱいになります。反戦争映画なのですが、余りにも内容が濃いため、反戦メッセージすらぼやけてしまう程。

死刑判決を下されたBC級戦犯は984人
東京大空襲による死者 10万人
広島原爆の死者 12万人
長崎原爆の死者 7万人
アジアにおける死者 2000万人
第2次世界大戦による全世界の死者 6000万人

戦争は何のために行われたのだろう・・・。

エンドロールで流れる、元ちとせの『死んだ女の子』の歌詞がまた悲しく辛いので、最後まで落ち込ませる映画でした・・・。 il||li_| ̄|○il||li

【満足度】


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| | 2011/04/23 17:42 | |















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