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時計じかけのオレンジ

『時計じかけのオレンジ』
 A CLOCKWOKE ORANGE

【製作年度】1971年
【製作国】イギリス
【監督】スタンリー・キューブリック
【主演】マルコム・マクダウェル

  かご 


【イントロダクション】 by Amazon.co.jp
近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループの首領アレックスは、ある殺人事件で仲間に裏切られ、ついに投獄させられてしまう。そこで彼は、攻撃性を絶つ洗脳の実験台に立たされるが…。

【感想】  ネタバレ
スタンリー・キューブリック監督が描く近未来の物語。暴力、セックスに明け暮れるアレックスが、最終的にはルドヴィコ療法によって政治の力に利用されていく。70年代では全く想像もつかなかった作品ですが、現社会では、暴力があふれ犯罪も低年齢化し、ドラッグにおぼれる若者。そして行く先不安定で利用するものを利用する政治とキューブリック監督が描く社会となってしまったようです・・・。

前半はひたすら暴力、暴力のシーンです。ドラッグ入りミルクの“ミルク・プラス”を飲み、いかれた不良グループそしてリーダーのアレックスによる、無差別で弱者への“超”暴力、そしてレイプをまざまざと見せ付けられます。昼間も学校を休みセックスに明け暮れる毎日。この映画は前半がかなり過激シーンが多いので、そこで嫌になる人も多いとか。
時計じかけのオレンジ1

そんな生活は長くは続かない。仲間の裏切りで、刑務所へ。早く出所することだけを考え、アレックスは模範囚とまでいえるまでに。そして、刑期を短くするために、ルドヴィコ療法という実験の被験者となることと引き換えに刑期短縮の機会を得たのでした。

中盤は、ルドヴィコ療法シーンへ。瞬きさせないよう目を強制に開け、暴力や犯罪や戦争映像をひたすら見させられる2週間。彼は、その荒治療で暴力とセックスを前にすると吐き気を及ぼすという体質に。改心したと喜ぶ人々、しかし彼は暴力という性格を失ったわけではなく、苦痛から逃げるための選択しかなかったのでしょう。
時計じかけのオレンジ2

後半は、出所後のアレックスの状況です。改心した彼に待っていたものは、親から見捨てられ、以前暴力を奮った人達やなぜか警官になっていた昔の仲間に、とことん思い知らされるアレックス。そして、また政治に利用され・・・。吐き気で立ち向かえない彼は、前半の血気盛んな若者とは別人なのでした・・・。

ラストは非常に意味深です。結局アレックスは元の残忍な姿に戻ってしまったんですね・・・。今度は、政治や社会を利用する方だと言っているようにも見えました。怪我が直ったあとは、また暴力の日々に戻るんでしょうね。。。

と、いったなんとも不思議な作品で、これでもかといわんばかりに風刺され非常に考えされられます。でも、正直異常でいかれた作品ということには違い有りません。

さて、この映画ですが、内容意外にも特筆すべき点が2つあります。

1つはアレックスが使うナッドサット言葉というものです。言葉自体は理解不能ですが、前後の文章でなんとなくの意味を捉えるしかないのです。日本語字幕も、訳をせずそのままの言葉を字幕にしています。なんとも異様なセリフで最初は違和感あるのですが、なぜか慣れていくんですよね。

もう1つは、音楽の使い方。様々なシーンでコミカルにかかる音楽。例えばベートーヴェンの『交響曲第9番』の演奏をシンセを使いアレンジした斬新なもの。映画の中では、エルガーの『威風堂々』、ロッシーニの『泥棒かささぎ』なども非常に多く使われているため、内容の重さに反して音楽でその不安を和らいでくれているような感覚を受けます。

さらに注目すべきは、前半で夫婦を襲うシーンでアレックスが歌う『雨に唄えば』が印象的。このすばらしい名曲を歌いながら、主人を蹴り上げ、妻をレイプするのです・・・。刑務所を出所後の同じ家のシーンでも重要な歌として扱われました。この曲は、なんでも主演のマルコム・マクダウェルのアドリブらしいですが、キューブリックが考え抜いて使われたとのこと。この映画とギャップがある曲だからこそ、異常にマッチしてしまったといえるでしょう。
時計じかけのオレンジ3

今でも色あせない、スタンリー・キューブリック監督の問題作。監督の才能のすばらしさにただただ脱帽です。

【満足度】




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| バイオレンス | 23:36 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

キューブリックで一番好きです

これはホント名作ですよね。
マルコム・マクダウェルの演技も鳥肌モノです。

ラストシーンの
「治った!」
が余りにも鮮烈で、なんともいえない後味の悪さでした。

シャイニングも好きなんですが、原作ファンなので、どうしても比較しちゃうんですよね。ただ、原作に忠実に作られたキング監督版は、全く面白くなかったので、やっぱり演出って大事なんだなぁ…と再認識させてくれた監督さんでもあります。

| 神奈川チェーンソー | 2014/07/19 22:27 | URL |

こんばんは。
私もこの作品、大好きです。色んなシーンが浮かんできますよ。
前半の暴力三昧は、当時にしては非常に痛さが生々しかったですね。オペラ歌手をバカにした仲間の太股を突然ぶっ叩く場面はビックリしたし、本当に手加減してないんじゃないかと(笑;)。

ルドヴィコ療法は、原作を読んでみると、瞼を固定されることの恐ろしさが倍増しました。目をどんなに逸らそうが大画面が必ず視界に収まってしまう絶望感。想像しただけで気持ち悪くなる場面ですよね。

仕上げのテストで、オッパイ触らせようとしたお姉ちゃんがやけに気になった記憶があります(笑)。結構、可愛いかったですよね?記憶違い??(汗)。
あと、これってブルーレイになっても、無修正ではないのでしょうか?白丸(黒丸?)がやたら動き回るのも味かもしれませんが。

キューブリックの撮り方や画質への拘りは見事だと思います。他の作品とは一線を画してますよね。空気が澄んでるというか生々しいというか。退廃した英国というのも風情があってよかったです。

今の時代がやっと本作に追いついた、というのはよくない表現かもですが、それだけ時代を先どった劣化皆無の名作なんだと思います。

109シネマで日替り?週替り?で昔の名作をやったりしますが、たまにこれもエントリされてるみたいで、また大画面で見てみたいな、と思います。

ガッツリ応援いきます♪凸

| umetraman | 2014/07/21 21:36 | URL | ≫ EDIT

☆神奈川チェーンソーさん
名作ですね。
ラストシーンの、あのふてぶてしく料理を食べさせてもらう姿も、なんだか凹みます。

そうですね、どんなに良い脚本でも演出や俳優によって全く違って見えますもんね。名作というのは、やはり脚本だけでは作れないものでしょう。

☆umetramanさん
あ、ご無沙汰していました。
やはりこういう昔の名作に反応しますね(笑)

前半の暴力シーンは、やはり当時には過激すぎました。
まだ最初のことはいいのですが、やはり家に押し入ってのレイプはすさまじいものでした。アレックスが歌う『雨に唄えば』が平和な歌のはずなのに、逆に恐怖に陥りました。

中盤、後半からは全く違う作品でしたね。目を強制的に開ける治療は驚愕です。よくマルコム・マクダウェルも耐えたものです。

一つ先を行く、スタンリー・キューブリックの才能はものすごいですよね。

あ、BDではないですがDVDで観ましたが、無修正でしたよ(笑)

| とら | 2014/07/21 23:00 | URL | ≫ EDIT

はじめまして。いつも拝見させていただいています。
この映画は、バイオレンスのひどさも衝撃的ですが、
セットや美術が凝っていて、アレックスの家の内装とかレコードショップとか。。それらを観るのもすごく楽しかったです。

あとこちらに書いてよいものかわからなかったのですが、
勝手ながらリンクを貼らせていただきました。
まだ作ったばかりですが、時間のある時にのぞいてみてくださいませ。。

| R | 2014/07/23 21:00 | URL | ≫ EDIT

Rさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

そうですね、芸術的観点からも優れていますね。
アレックスの家もそうですが、ドラックミルクバーの内装(人形)もすごいものが有りました。
そういった意味でも評価されているんでしょう。

リンク了解です!
こちらからもリンクさせていただきますね。
今後ともよろしくお願いします。

| とら | 2014/07/24 23:22 | URL | ≫ EDIT















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