スキャナーズ
SCANNERS
【製作年度】1981年
【製作国】アメリカ
【監督】デビッド・クローネンバーグ
【出演】ステファン・ラック/ ジェニファー・オニール/マイケル・アイアンサイド
【イントロダクション】 by Amazon.co.jp
超能力者(スキャナー)を使って警護を行う警備会社に勤めるベイル。科学者によってさらに能力を開発された彼は、裏のスキャナー・レボックの追跡を命じられる。
【感想】
今年最後のレビューは、クローネンバーグの出世作ともいえる作品といきましょう。相手の神経系統と結合し行動や身体機能をコントロールすることが可能な人間スキャナーが善玉と悪玉に別れて戦う様子を描く。
低予算で仕上げたためその戦いに派手さは無いのだが、特殊メイクは賞賛を受ける。とくに序盤シーンの、頭部破裂という残酷なシーンは驚かされるものがあり、後の映画にも多方面に影響を与えた。日本では、『AKIRA』が人体内部からの破壊という同様な設定を入れているのはあまりにも有名。
中盤~後半でも、派手さは無いですがスキャナー同士の戦いでは、クローネンバーグの片鱗をうかがわせるような血肉ほとばしるシーンは印象的です。単なる超能力と違い、他人の行動や自律神経のコントロールし、感覚を奪い幻影までも見せることができるという設定自体、まさに監督の後の作品にもつながるようです。
ラストのレボックVSベイルのスキャン対決は壮絶でした。ジャケット写真にも使われている、血管ほとばしり白め姿で片や目玉爆発といったすさまじい間接的攻撃スキャンの戦い。結局どちらの勝利なのか?観るものによって変わってくる結末はまたにくい演出でした。
そして、この作品忘れてはならないのが、カナダのジャック・ニコルソンといわれたマイケル・アイアンサイドの狂気あふれる演技でした。いやー、彼の悪役振りが怖いのなんのって!見事でした。
DVDがプレミアついていたこの作品も、これまたレンタルやBlu-Rayで購入できるようになりました。今年は名作ラッシュが続き、なかなか再見できなかった映画が簡単に手に入るようになった良い流れができた年でした。まだまだ観たいのに手に取れない作品があるので、来年も引き続き名作の再販お願いしたいですな。
【満足度】
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| SF、エイリアン | 23:26 | comments:8 | trackbacks:1 | TOP↑
こんばんは。
久々にお邪魔します。
スキャナーズはインパクトありましたよね。
これでクローネンバーグ監督が一躍有名になって、その後の追っかけが大変でした(笑)。
凄く思い出深いです。
カナダ映画ってお国柄なのか、どこか内向的な印象を受けます。発散しない分、心身共に歪んでしまってるような。
(スピーシーズXというバカホラーは別物ですが笑)
スキャナーズって終始、空がどんよりしてませんか。晴れ間が一切なかったようだし、寒々しいのもお国柄なんでしょうかね。
頭部破裂の単にスプラッタで括れない気持ち悪さってのもクローネンバーグの怨念あってこそでしょうか。ビデオでは何度もコマ送りして見てました。
劇中、ある芸術家が登場しますけど、展示された作品がどれも気持ち悪かったです。至るところにクローネンバーグの病んだ感性が出てましたよね。
決してハデではないけども、内なるパワーには圧倒されてしまいます。
後年は生々しいバイオレンスに傾倒されてるようですが、またスキャナーズみたいな変態で気持ち悪い作品を出して欲しいですね。
来年もまたちょくちょく覗かせて頂きますのでよろしくお願いしますね。
今年最後の応援ガッツリ凸♪
| umetraman | 2014/12/31 00:15 | URL | ≫ EDIT